問題
以下の条件を満たす$x$の3次関数$f(x)$と$g(x)$と$h(x)$がある.
➀ $y=f(x)$のグラフと$x$軸の交点は3つあり,その$x$座標は$0, 1, 2$
➁ $y=f(x)$のグラフと直線$x=3$の交点の$y$座標は$6$
➂ $y=g(x)$のグラフは$y=f(x)$のグラフを$x$軸の負の方向に$1$だけ平行移動したもの
④ $y=h(x)$のグラフは$x$軸に関して$y=g(x)$のグラフと線対称
このとき,$f(x)$と$g(x)$と$h(x)$を求めよ.
【静岡文化芸術大学 2020】
解答
3次関数$f(x)$の3次の係数$a$とする.➀により,$y=f(x)$は$x$軸と$x=0, 1, 2$で交点をもつので,
$f(x)=ax(x-1)(x-2)$
と表すことができる.➁により,$f(3)=6$であるから,
$a\cdot3\cdot2\cdot1=6$
$∴a=1$
ゆえに $f(x)=x(x-1)(x-2) (=x^3-3x^2+2x)$
➂より,$g(x)=f(x+1)$
$g(x)=(x+1)x(x-1) (=x^3-x)$
④より,$h(x)=-g(x)$
$h(x)=-(x+1)x(x-1) (=-x^3+x)$
解説【関数の扱い】
平行移動・対象移動については次の4点を押さえておきましょう.
➀ $x$軸について対称移動:$-y=f(x)$
➁ $y$軸について対称移動:$y=f(-x)$
➂ 原点について対称移動:$-y=f(-x)$
④ $x$軸方向に$a$,$y$軸方向に$b$だけ平行移動:$y-b=f(x-a)$
ここで,$f(-x)$とはなにか、$f(x-a)$とは何ぞんやと思う人もいると思うので,例を出して説明します.
$f(x)=x^2+2x+3$とします.ここで,$f(-x)$は
$f(-x)=(-x)^2+2(-x)+3$
と,$x$に$-x$を代入すればよい.
また,$f(x-a)$は
$f(x-a)=(x-a)^2+2(x-a)+3$
となる.これは,2次関数、3次関数だけでなく、三角関数、指数・対数関数でも用いることができる関数共通の内容である.対称移動が出題されればこれを用いて解くのがベストである.
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