問題
$xy$平面において,放物線と円$C: y=x^2-2$,$S: x^2+y^2=1$を考え,放物線$C$上の相異なる3点P,Q,Rをとる.ただし,$t>1$として,点Pの$x$座標は$t$であるとする.また,直線PQ,PRの傾きをそれぞれ$m_1$,$m_2$とする.このとき,次の問いに答えよ.
(1) 点Qの$x$座標を$t$,$m_1$を用いて表せ.
(2) 直線QRの方程式を$t$,$m_1$,$m_2$を用いて表せ.
(3) 点Pを通る傾き$m$の直線が円$S$に接する必要十分条件を,$m$に関する2次方程式で書き表せ.
(4) 直線PQ,PRはどちらも円$S$に接しているとする.このとき,直線QRも円$S$に接することを示せ.
【埼玉大学 2020】
解答
$l:y=mx+n$と$C:y=x^2-2$の交点の$x$座標は2次方程式$x^2-mx-n-2=0 \cdots➀$の解となる.
(1) Qの$x$座標を$q$とする.$l$を直線PQとすると,$m=m_1$で,➀の解は$t$,$q$となる.
解と係数の関係より
$t+q=m_1$
$∴q=m_1-t$
(2) Rの$x$座標を$r$とすると,(1)と同様に,
$r=m_2-t$
$l$を直線QRとすると,➀の解と係数の関係より,
$q+r=m$
$qr=-n-2$
$∴m=m_1+m_2-2t$,$n=-(m_1-t)(m_2-t)-2$
直線QRの方程式は
$y=(m_1+m_2-2t)x-(m_1-t)(m_2-t)-2$
となる.
(3) Pを通る傾き$m$の直線は$y=m(x-t)+t^2-2$と表せる.
これが$S:x^2+y^2=1$に接するための必要十分条件は,
(Oと直線の距離)$=$(Sの半径)
$\displaystyle\frac{|-mt+t^2-2|}{\sqrt{m^2+1}}=1$
$(-mt+t^2-2)^2=m^2+1$
これを整理すると
$(t^2-1)m^2-2t(t^2-2)m+t^4-4t^2+3=0 \cdots➁ $
(4) PQ,PRがどちらもSに接するとき,➁の解は$m_1$,$m_2$,解と係数の関係より,
$m_1+m_2=\displaystyle\frac{2t(t^2-2)}{t^2-1}$
$m_1m_2=\displaystyle\frac{t^4-4t^2+3}{t^2-1}=t^2-3$
これらと(2)より,QRの方程式を求める.
$m_1+m_2-2t=2t(\displaystyle\frac{t^2-2}{t^2-1}-1)=\displaystyle\frac{-2t}{t^2-1}$
$-(m_2-t)(m_1-t)-2=(m_1+m_2)t-m_1m_2-t^2-2$
$=\displaystyle\frac{2t^2(t^2-2)}{t^2-1}-2t^2+1=\displaystyle\frac{-t^2-1}{t^2-1}$
であるから,QRの方程式は
$2tx+(t^2-1)y+t^2+1=0
OとQRの距離は
$\displaystyle\frac{|t^2+1|}{\sqrt{4t^2+(t^2-1)^2}}=\displaystyle\frac{t^2+1}{\sqrt{(t^2+1)^2}}=1=$($S$の半径)
であるから,QRも$S$に接することが示された.
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